末吉降下軽石と姶良Tn火山灰
 八丈島は玄武岩の多い火山の島で、流動性に富む溶岩を流出し、スコリア(黒色や赤紫色の火山れき)を放出する噴火を繰り返しました。ところが、2万5千年前頃の三原山では、デイサイトマグマが活動し、大量の軽石を放出する噴火が続きました。ここに露出しているのは、そのときの末吉降下軽石です。
 軽石層にある白い層は、姶良カルデラ(鹿児島湾北部)の大噴火によって堆積した姶良Tn火山灰(AT)です。厚さが約5cmあるのは、姶良Tn火山灰が積もった後、三原山の噴火があったため、堆積物が削られずにすんだためで、この地層の特色になっています。