ハチジョウキブシ(キブシ科)
 名前にハチジョウとついているので、固有種のように思われがちですが、福島、新潟から南の海岸近くの山地などで広範囲で生育しています。八丈島では3月に花が咲きます。
 キブシは果実を五倍子(ふし)の代用として使うためにつけられた名前です。ヌルデの葉にヌルデノミミフシアブラムシが虫えい(虫こぶとも言います)を作ることがあって、これを五倍子と言います。この中にある豊富なタンニンは黒色染料の原料に使っていました。例えば、粉にして、お歯黒に使ったそうです。
 また、五倍子(ごばいし)または付子(ふし)という生薬として腫れ物や歯痛に使われました。